きいてみた [ライト関連]
Vfとは、順電圧。
発光ダイオードの懐中電灯で言うなら、例えばエミッターへの入力電圧。
入力電圧がエミッターの許容するVf値より低いと、基本的に発光ダイオードは光らない。
これは、特に紫外線や白色に顕著な「順方向降下電圧の高さ」という発光ダイオードの特性を意味するらしい。
順方向降下電圧とは、この場合、低い電圧の状態では電流量が増え難く、ある一定の電圧を越えると電流値の上昇が急になり、上昇する電流量に呼応して照度を増すという発光ダイオードの特性。
つまり、発光ダイオードを光らせるには、これ以上の電圧が必要だという「値」が存在していることになる。
逆に、耐電圧という上限もあり、高過ぎる電圧は最終的には発光ダイオードを破壊する。
耐電圧を大きく超える電圧は大きな過電流を生み、過電流は発光ダイオード内部の金線を断線に至らしめ、
また、瞬時に破壊するほどではないにせよ、高い電流を流せばその分エミッターの寿命は縮む。
しかし、
発光ダイオードは、ある一定以上に電流値を上げると、電力から光への変換効率を低下させながらもより明るく光るという特性も併せ持つので、「明るい」ライトを目指すとき、過電圧・過電流による駆動、「オーバードライブ」が行なわれることになる。
この範囲、
『発光ダイオードを光らせるには、これ以上の電圧が必要だという「値」』から、『耐電圧という上限』をVfの許容範囲とするのなら、
その範囲の中で、発光ダイオードに対して安全で、最も効率良く電力を光に変換する範囲を示していると考えられるのが「定格」
スペックシート上に示されるVfの範囲であろうかと思われます。
しかし、そこには個体差、いわゆるバラつきが存在し、
エミッターの事実許容するVf値が低いと低い入力電圧での駆動が可能となり、高いと高い入力電圧での駆動が可能となるので、
同じ会社の同じ種類のエミッターを使っても、あるいはもっと厳密に同じランクのエミッターを選んでも、その個体差から、照度やランタイムに差が生まれる。
例えば、
Vfが2.9~3.2Vなんてなエミッターがあったなら、それはCR123Aシングルのダイレクトドライブで光る。
しかし、3.7V~4.2Vなんてなエミッターを3V電池シングルでダイレクトドライブ駆動させることは難しい。
だから、3VシングルセルでVfが4Vあたりのエミッターを駆動するためには入力電圧を4Vに上げなくてはならない。
電源から入力された電圧を上げるのは、概ね「インダクタ」と呼ばれるものであろうかと。
インダクタとは、「インダクタンス」という電気的性質を利用し、電圧を変化させるモノ。
インダクタンスとは、電流の変化が「誘導起電力」となる性質のこと。
私にも判る言葉で表すのなら、
それは「コイル」
コイルには、電流の変化を安定にしようという働きがあり、電流を流すと低く抑制し、停めると高く流そうとする特性があり、これが、どうやら誘導起電力。
コイルに電流を流すとアンペール「右ねじの法則」に従って、磁束が発生する。(ええ、ずっと右手の法則だと覚えてましたがなにか?)
磁束の発生している状態で突然電流を遮断すると、コイルの「磁束の変化を妨げる方向へと電圧を発生する」という特性が働き、
消えようとする磁束を維持しようと電流が流れていた方向へと電流を流そうとし、
結果、入力電圧よりも高い電圧を発生させる。
要は、
ある電圧でコイルに入る電流のオンオフを高速で繰り返すと、オフの時点でコイルから取り出される電圧が入力時よりも高くなる。
これを称して「昇圧」
横文字で言うなら、ステップ・アップなんだとか。
オフにしている間に途切れてしまう電流を補う為、電力消費機器や半導体に至るまでの間にコンデンサを配し、そこに蓄電。
オフの間は蓄電されたコンデンサから電力が供給され、その隙間を埋める。
しかし、
コイルに流れる電流を高速でオンオフにする状態が繰り返されると、コイルによって電圧が高くなり過ぎ、回路内の機器や半導体が破壊されてしまう。
これをを防ぐためにスイッチングダイオードや整流用ダイオードを設置し、「フリーホイーリングダイオード」と呼ばれるコイルとは別の電気の通り道を用意することで電圧が高くなり過ぎることを防ぎ機器や半導体を保護。かつ、電気の逆流を防ぎ、整流する。
但し、
コイルはその性質上通電すると電磁石となり、磁力を帯びる。
磁力を帯びれば磁界が発生し、磁界は周辺の機器に干渉し起電力を発生させ、起電力はノイズを発生させる。
ノイズを最終的にエミッターが拾えば、それは、場合によっては光の不安定。不快なチラつきを造り出すと予想される。
これを防ぐのは、コイルのシールドか、その配置。
基板上の「レイアウト」が重要な意味を持つ。
これが、昇圧コンバーターの大まかな説明であるらしい。
ここに、DC-DCコンバーターICと呼ばれるモノを追加する。
恐らくは、これが懐中電灯に於ける「デジタル」の登場であります。
DCとは直流、一方向にしか電流が流れない電気のこと。例えば、乾電池は直流。
DC-DCとは、直流の電気を同じく直流の、しかし「違う」電気に変化させることを示す。
変化させるのは電圧。
従って、DC-DCコンバーターとは、直流の電源から取り出した電気を、同じく直流の、しかし電源からそのままダイレクトには使用出来ない、あるいはダイレトよりも都合良く使用することの出来る機器に合わせた電圧とする機器。
DC-DCコンバーターICとは、上記の昇圧コンバーターを構成する部品と組み合わせ、スイッチングや電流の周波数を制御するモノ。
電流そのものはアナログ、発光という物理現象もアナログですが、IC内のスイッチング機能を使用することで、オンオフ、つまりはゼロかイチかの選択と組み合わせによる制御が可能となり、そのスピードが電圧や電流値、周波数を決める。これが回路のデジタル制御。
ICを使用することで、全てをアナログ部品で構成するよりも小型化が図れ、電流値の様々な設定も可能となる。
それは、例えば、3Vの電池を使用してVf4Vの発光ダイオードを効率の最も良い状態で、あるいは最もピーキーな状態で、はたまた、最もランタイムの長い状態で発光させる術のひとつ。
そして、「PWM」
PWM(Pulse Width Modulation)とは、
振幅を一定にしてパルス幅を変化させるパルス制御法の一種。
これは、電流の周波数の制御を意味する。
パルス制御が有利なのは、発光ダイオードは、定電圧で駆動すると素子のばらつきや素子温度による順方向降下電圧の変動によって電流も変動するので、基本的に電流量を管理した使い方が推奨されるから。
一般的なPWMとしては、パルスの前縁と後縁の両端を等しく変化させる方法と、どちらか一方(通常は後縁)を変化させる方法の二つが考えられ、タイミングパルスという言葉もあるらしい。
このPWMを行なう機器の中に、タイマーICと呼ばれる部品を用いる方法がある。
タイマーICは、文字通りタイマーとしての役割を担うモノであるらしいのだが、内部ROMにアセンブラ、もしくはC言語などで書かれたプログラムをアセンブラにコンパイルしたものを書き込むと、そのプログラムを書き込むことで様々なパターンの出力を生み出すことが出来る。
これは、調光機能や、ストロボモード、その切り替え方法を創り出すのに有効なチップなのではないだろうかと考えられる。
電源からの電圧をインダクタで昇圧し、
インダクタの電流をフリーホイーリングダイオードで整流し、
プログラマブルなタイマーICで照度や点滅、あるいはタイマーモードを命令し、
DC-DCコンバーターはタイマーICからの命令を受けて適切なスイッチングを行い、
スイッチングが結果的に発光ダイオードの光を制御する。
RESETを持つDC-DCコンバーターICやタイマーICであった場合、任意の秒数の通電、あるいは電流の遮断を以って記憶、あるいはデフォルトへと戻る設定を施し、どちらか、あるいは両方の機能を使ってモードを選択。
RESETを持たないICであるのなら、抵抗を使って電力を消費させ、ICを初期状態へと戻す。
と、
まあ、、、
電工ヲタのひとには当たり前、もしくは間違っているのかも知れない、ツっ込みどころ満載なのであろう基礎知識を、
ここ数週間、
主に知人の皆様の忍耐力
と、ネットを駆使して吸収してみました(^^;ホントウニアリガトウゴザイマシタ・・・
今回は以上。
しばらく更新出来ない。ひょっとすると年内最終かと思われますが、続きますm(_ _)m
電気のことはサッパリ分かりません(><)
理解しようとしてたら、ソッチ方面に行かずにアッチに逝っちゃったので(^_^;)
続きを楽しみに待ってます♪
by nob (2007-12-25 23:12)
>nobさん
あはっ♪
書いといてなんですが、私も何がなにやら(^^;
とりあえず、ふたりほど「知ってそうなの」リアルで捕まえて、勝手に喋らせて、録音してきました(^^;;
雅楽、上手くいったら拝見させてくださいm(_ _)m
by 川端 (2007-12-26 06:48)
う~ん・・・読んでて熱出てきたw
自分もエレキはさっぱりですが、なんとなーくわかったような気がしてきました。
と言いつつ、実はさっぱりわかってないかも(^_^;)
by cinq (2007-12-26 07:53)
>cinqさん
なんですか、
「たすけて源内先生っ(><)」
みたいな、、、
よーするに電圧×電流=電力だろ?みたいに思ってたんですが、
なんか、問うた連中がヲタなんで、専門用語がやたら出てくるんですよね。
もうね、なにがなにやら(^^;;
ああ、そうそう。
関係無いっちゃあないんですが、ICによる温度監視のシステム。
それ用のIC使っても、フィードバック(?)してくるというか、応答してくれるというか、監視する対象の材質とかでゼンゼン設定変わっちゃうらしく、しかも時間変化を考慮せねばならず、
なんか、エラい手間ならしいですよm(_ _)m
by 川端 (2007-12-26 12:58)
よくわかってないけど、とにかくいぢるのダ。
故によく死亡させたりしますがぁぁ~(汗)
色々いぢくってると、なんとなく分かってくるような?
とかいいつつ、普通に電子関係な方々だと、オーバードライブ
は考えないらしいです>LED。私もある方とお話しているとき、
驚かれました。「そんな電流値流すんですか?」って(汗)
by リオ (2007-12-28 16:45)
>リオさん
そういえば、「電気きら~い」でいらっしゃったんですもんね。
そんな風にはゼンゼン思えないんですが、、、
>>「そんな電流値流すんですか?」って(汗)
そのへんまったくわかんないんですよね。
「定格」って、曖昧と言うか、なんかどうにでもなってんジャン?みたいな。。。
by 川端 (2007-12-29 08:16)